CARS Report

Goodwood Revival Meeting 2023

2023.09.19
さる9月14日から17日にかけて、イギリス・グッドウッド・モーターサーキットで開催された世界最高峰のヒストリック2&4レース、“グッドウッド・リバイバル・ミーティング”に、PLAMEX CARSの久保田克昭がロータス18F1と24F1と30と72F1で様々なカテゴリーに参戦してきました。早速各カテゴリー別にご紹介していきます。


Whitsun Trophy
ウィットスン・トロフィーは1966年までの大排気量プロトタイプ・スポーツカーによって競われるグッドウッド・リバイバルで最も激しいレースの1つ。今回はロータスの75周年ということもあってか、出走28台のうち、ロータス30が3台出場。
そのうちの1台、No.69のマシンをドライブしたのは、91年にマツダ787Bでルマンを制し、ベネトンやロータスのF1 で活躍したジョニー・ハーバート!
若き日には全日本F3000や、グループCでも活躍したハーバート。小柄ゆえ、クラッチペダルに足が届かなかった!とのことですが、それでも予選5位を獲得したのはさすが。しかしながら決勝は出場しませんでした。
一方、ニューシャシーに交換して以来、セッティングが煮詰まるとともにタイムを伸ばしてきた久保田は、予選でも好調でハーバートとともに積極的に周回。気温30度とこの時期のイギリスにはありえないほどの高温という、タイムを出すには不利な環境にもかかわらず昨年のリバイバルで記録した自身のベストタイム、1分24秒665に迫る24秒908を記録して10番グリッドを獲得しました。
土曜の最後に行われた決勝レースで久保田は見事なスタートダッシュをみせジャンプアップ。ローラT70、マクラーレンM1Aなどに混じって7位に浮上します!
その後も激しく順位を入れ替えながら、上位進出を目論む久保田に場内放送も注目します。ところがレース中盤にマジウィック・コーナーでローラT70がクラッシュ。SCが導入され、残り5分というタイミングで再スタートが切られることになりました。
ここで久保田は激しい5番手争いを展開。場内放送もそのバトルに釘付けとなりますが、ファイナルラップの途中から、久保田のマシンが白煙を上げ始め、最終シケイン手前でブローアップ。残念なリタイアとなってしまいました。
しかしながら、レース中にベストラップとなる1分24秒360を記録するなど、これまでなかなかマシンが決まらず、思い通りにならなかったレースとは打って変わり、マシンが仕上がったことで、セカンドグループで確実に勝負ができる手応えを得たことは、非常に大きいものと言えます。
春の80MMでコンビを組んだ、リチャード・ブラッドリーからのアドバイス、そしてマシンを献身的に仕上げてくれたケビン・スミスの協力があってこその成果といえると思います。久保田がウィットスン・トロフィーのポディウムに登る日は、そう遠くないと言っていいでしょう!
※レースの模様はこちら(You Tube)をご覧ください。
Richmond & Gordon Trophies
続いては1954年から60年までの2.5リッター・フロント・エンジン&リヤ・エンジンF1マシンによって競われる、リッチモンド&ゴードン・トロフィーズ。このレースに久保田は、exティーム・ロータスで、ジム・クラークやジョン・サーティースがドライブした輝かしいヒストリーを持つ、ロータス18F1-373でエントリーしました。
マシンにも慣れ、いよいよ本領発揮といきたいところなのですが、18F1特有のメカニズムであるシーケンシャル式のギヤボックスが不調で、何度もピットインを繰り返し満足のいくアタックができないまま予選終了。1分41秒044という不本意なタイムで24番グリッドという結果に終わってしまいました。
ところが日曜昼の決勝レースでは、スタートから怒涛の追い上げを開始。オープニングラップで5〜6台をごぼう抜きしてからも、ラップを重ねるごとに次々と前を走るマシンをオーバーテイクしていきます。
そして一時は9番手まで順位を上げたものの最終的に総合12位でフィニッシュ。ベストラップも1分28秒213とトップ10を走るマシンたちと遜色のないタイムを記録し、ギヤボックスの問題さえなければ、十分に上位で戦える手応えを残しました。
※レースの模様はこちら(You Tube)をご覧ください。
Glover Trophy
グローヴァー・トロフィーは1961年から1965年までの1.5リッターF1マシンで競われるグッドウッド・リバイバルの花形レースの1つ。久保田は、今回初めてこのレースに1962年型ロータス24 F1-944でエントリーしました。
グッドウッド・リバイバルの中でも、非常にレベルが高いことで知られるグローヴァー・トロフィーですが、これまでF1やグループCで数々のマシンを乗りこなしてきた久保田は、ロータス24にもすぐに順応。途中の赤旗の影響もあって2つほどポジションを落としてしまったものの、1分27秒878を記録して見事8番グリッドを獲得しました。
迎えた日曜午後の決勝レースは生憎の大雨。ポールポジションを獲得した常勝ロータス25のアンディ・ミドルハーストでさえポジションを落とす難しいコンディションの中、7位に順位を上げた久保田ですが、オープニングラップのセントメアリーズ・コーナーでシフトミスでスピン。マシンにダメージはなかったものの、集団から大きく遅れた最下位となってしまいました。
しかし、そこで火のついた久保田は怒涛の追い上げを開始。リッチモンド&ゴードン・トロフィーズの時以上のペースで、どんどん順位を回復していきます。
そして難しいサバイバル・レースを見事に生き残り、総合12位でフィニッシュ。序盤のスピンさえなければ……と悔やまれるところですが、グローヴァー・トロフィーでも十分にポディウムを狙えるポテンシャルがあることが確認できました。
※レースの模様はこちら(You Tube)をご覧ください。
75 Years of Lotus
そして今年はロータスの創始者であるコーリン・チャップマンが、マーク1を製作してから75周年を迎えるということで、歴代ロータスを集めたパレードランを開催。マーク1から1983年の92F1まで50台近いマシンが集まりました。
そのパレードで久保田はロータスを愛する一員として、ロータス24F1、そしてロータス72E F1をドライブ。こうして3つのレースと、パレードランを掛け持ちした、華やかで忙しい週末を終えたのでした。
みなさん応援ありがとうございました!