2025.04.15

ヨーロッパのヒストリック・レーシングの幕開けを告げる82ndグッドウッド・メンバーズ・ミーティング(82MM)が4月12〜13日にかけてイギリス・グッドウッド・モーターサーキットで開催されました。今回のイベントにPLANEX CARSの久保田克昭はロータス30S2とロータス20/22FJでエントリー。その模様を早速レポートします。
Gurney Cup

まずは1960年代の2シーター・プロトタイプ・スポーツカーを対象とした45分のセミ耐久レース『ガーニー・カップ』。ル・マン・ウィナーのアンドレ・ロッテラー、エマニュエル・ピロがGT40で出場するほか、数多くの手練ドライバーが集まる、82MMで最も白熱したカテゴリーです。
このレースにあわせて、新品のボディワークを投入するなどミラージュ・エンジニアリングのケヴィン・スミスの手によって1965年当時の姿に完璧にレストアされたロータス30S2。今回もコンビを組むのは、かつて日本でも活躍したリチャード・ブラットリーですが、二人とも事前にグッドウッドでテストを重ね、これまでの自己ベストを大きく更新するタイムを記録するなど、好感触を得ていました。

また会場には、このマシンをドライブしたティーム・ロータスの元ワークス・ドライバーであるトレヴァー・テイラーの息子さん、お孫さんも来場。しっかりと歴史を紡ぐことができました。
迎えた12日の予選。久保田の出て好調な滑り出しをみせたロータス30S2は、ブラッドリーに交代後、ポールポジションを獲得すべくアタックを開始。各セクターのベストラップを塗り替え、いざ最終シケインというところで突如スローダウン。そのままパドックに戻り、ポールポジションは幻となってしまいました。

その原因はこれ。オーバーホールをし、フルパワーを発揮するエンジンに耐えられなくなったのか、なんとドライブシャフトがポッキリと折れてしまったのでした。決勝はその日の午後に行われるため、ケヴィンらメカニックは大至急でパーツを交換。タイムは1分23秒593で15番グリッドとなったものの、なんとか決勝に間に合わせることができました。

そして迎えた決勝。スタートドライバーを務めた久保田は見事なスタートを決め、オープニングラップから積極的な走りで前車を次々とパスしていきます。
2周目には早くも10位に順位を上げた久保田は、最終的に7位にまでジャンプアップ。しかしながらさらなる浮上を目指して猛追する中、最終ウッドコートコーナーでコースオフ。エンジンが再始動せず、順位を大きく落としてしまいました。

ちょうどそのタイミングで他車のクラッシュにより赤旗中断。ブラッドリーにドライバーチェンジを行い再スタートすることとなりました。
ここで20位以下からの再スタートとなったブラッドリーは怒涛の追い上げで7位まで浮上。このレースで優勝したディーノ206Sのフランク・スティップラーと競り合いながら上位を狙います。

ところが残り14分となった1コーナー立ち上がりで突如スローダウン。なんと今度はサスペンションが折れてしまい、無念のリタイアとなってしまいました。
しかしながら、これまでグッドウッド・リバイバルのウィットスン・トロフィーでも苦戦を強いられていたロータス30S2が、本領を発揮しトップレベルの戦闘力をもつことが証明されたのも事実。次の機会までに完璧な状態に仕立て直し、リベンジを果たしたいと思っています。
Arundell Cup

さらに久保田は1960年代の1.1リッターFJマシンで競われるアランデル・カップにもロータス20/22FJでエントリー。こちらのレースにも実に30台ものマシンが集結しました。

予選でポール・ポジションを獲ったのは、久保田とも旧知の名手、サム・ウィルソン。一方の久保田は「みんな速い」と言いながらも、総合12番手でクオリファイしました。

日曜午前に行われた決勝レースは、クリーンかつシリアスなバトルが随所で展開。久保田も波いる競合に揉まれながらのレースとなり、抜きつ抜かれるを繰り広げたすえ、無事に12位で完走を果たしています。

また今回の82MMでは、1985年ポルトガルGPでのアイルトン・セナのF1初優勝から40周年を記念したメモリアル・ランも開催。クラシック・ティーム・ロータスが所有するセナの優勝車そのもの(97T/2)にブルーノ・セナが乗り、ルノー・ターボ・サウンドを響かせました。
ちなみにブルーノと97Tはちょうど40周年となる4月21日にポルトガル・エストリル・サーキットでのデモランを予定しているそうです。お楽しみに!
ちなみにブルーノと97Tはちょうど40周年となる4月21日にポルトガル・エストリル・サーキットでのデモランを予定しているそうです。お楽しみに!