CARS Report

ストックカーご紹介第9弾「マツダ・コスモ・スポーツ」

2021.02.18
1971 Mazda Cosmo Sport
PLANEX CARSの ストックカーのご紹介するこのコーナー。第9弾は、世界最初のロータリー・エンジン・スポーツカーとなったマツダ・コスモ・スポーツをご紹介します。


小型軽量、高出力の夢のエンジンとして1959年にフェリクス・ヴァンケルがNSUとともに開発に成功したロータリー・エンジン。その技術に着目したマツダ(東洋工業)は1961年2月にNSUと技術提携を結び、数々の困難を克服しながらついに実用化に成功しました。
そして1963年にロータリー・エンジンを搭載した2シーター・スポーツカー「コスモ・スポーツ」のプロトタイプを開発します。
その後、市販に向け様々なテストが重ねられたコスモ・スポーツは、1967年5月に148万円で発売が開始されることになりました。
宇宙船とも称された特徴的なスタイリングは、社内デザイナーの小林平治によるもの。シャシーはフロアボードと、フロントコンパートメントを組み合わせたセミモノコック式で、サスペンションにはフロント・ダブルウィッシュボーン、リヤ・ドディオンアクスルを採用。
エンジンは、ゼニス・ストロンバーグのシングルキャブレターを装着し、最大出力110psを発揮する491cc×2 水冷直列2ローター L10A型ユニットで、コンパクトさを生かしフロントミッドに搭載されています。その他にもラックアンドピニオン式のステアリング、ダンロップ製フロントディスクブレーキ、4速フルシンクロ・ギヤボックスなど当時の日本車としては先進的な構造を採用していたのも特徴と言えます。
その後、1968年にマイナーチェンジを実施し後期型へと発展。エンジンが128psを発生するL10B型となった他、フルシンクロ5速MTを採用。さらに前後トレッド、ホイールベースの拡大や15インチ・ラジアルタイヤ(前期型はバイアスの14インチ)の採用などシャシーにも改良が加えられました。
外観上ではラジエーターグリルが大型化され、ウインカー下にディスクブレーキ用の冷却口が追加されたことなどが主な識別点。インテリアの変更点はサイドブレーキ位置の変更や、助手席アシストグリップの追加など僅かに止まりましたが、後期型からヂーゼル機器製のクーラーがオプション装着されるようになりました。
PLANEX CARSでは複数台のコスモ・スポーツがストックされていますが、写真の1971年式の後期型は、華奢なウッドリムのステアリング、千鳥格子柄のシート、スチールホイール&ホイールキャップなど、オリジナルのスタイルを残した個体となっています。もちろん、しっかりとメンテナンスを施されておりますので、メカニカルコンディションも抜群です。
そもそも前期型が合計373台、後期型が合計1176台しか生産されていない希少車種であることに加え、ロータリー・エンジンを搭載した世界初のスポーツカーとしての世界的な評価も年々上がっているマツダ・コスモスポーツ。今注目のジャパニーズ・ヒストリック・モデルの1つと言えます。
PLANEX CARSでは、購入後の走行やメンテナンスなどのサポートにも対応できます。
詳しくはこちらにお気軽にお問い合わせください。