CARS Report

鈴鹿オフィシャル・プログラムで振り返る PLANEX RACINGの足跡

2020.12.22
2020年はCOVID-19の影響で世界的にレースイベントが中止、延期となり、当初予定していたモナコ・ヒストリックGP参戦も、グッドウッド出場も叶いませんでした。また国内においても鈴鹿10HoursやSUZUKA Sound of ENGINEといったイベントも中止となり、皆さんにサーキットを走る姿を楽しんでいただくことができませんでした。
そこで今回はいつもと趣向を変えて、これまで各イベントのオフィシャルプログラムに掲載された記事をご紹介して行きたいと思います。いずれも会場で完売して入手困難なものですが、改めて読んでも楽しめるなど資料性は抜群。次回サーキットに観戦に行く際は、ぜひ入手をお勧めします!


SUZUKA Sound of ENGINE 2017
2012年の「鈴鹿サーキット50周年アニバーサリーデー」をきっかけに鈴鹿サーキット主催のクラシック・イベントとして2015年からスタートしたSUZUKA Sound of ENGINE(SSOE)が、F1、グループCから、60年代のモーターサイクルまで幅広いカテゴリーを用意した、日本最大のヒストリック・レースイベントです。
2017年では、新たな試みとしてヨーロッパ、北米で開催されているFIA公認のヒストリックF1レース、マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ・ワンがデモンストレーションとして初来日。16台のマシンがエントリーして本場のF1サウンドを届けました
そんなマスターズ・ヒストリックF1を紹介する記事では、唯一の日本人エントラントとして参戦し続けているPLANEX CARS代表 久保田克昭の活躍も触れられていました。思えばこの年は、F1カナダGPのサポートレースで1勝、アメリカGPのサポートレースで1勝、そしてメキシコGPのサポートレースでは2勝と絶好調のシーズンでありました。
ちなみにこの年のSSOEでも快晴に恵まれた日曜のレースで、ぶっちぎりのトップ・フィニッシュを飾っています。
SUZUKA Sound of ENGINE 2018
続く2018年のSUZUKA Sound of ENGINEでは、ついに日本初のマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ・ワンのレースが実現。ノンチャンピオン・シップではありましたが、シーズンオフということもあり、ヨーロッパ・シリーズと北米シリーズから有力選手、マシンが集結。総勢21台がエントリーすることとなりました。
久保田はこの年からヨーロッパ・シリーズに投入した新たな愛機、ロータス91で参戦。プログラムには、このマシンが現役当時にナイジェル・マンセルがドライブしたシャシーナンバー7であることなど、詳細が書かれています。
モビリティランド
万全の体制で臨んだものの、この鈴鹿でもシーズン当初から悩まされていたシフト不調、ハンドリング不調に見舞われ、第1レースの予選でポールポジションを獲得したにもかかわらず、スタートできずにDNF。その後、夜通しのチェックでエンジンをマウントしていたボルトの不具合が見つかり復活。
モビリティランド
迎えた日曜の第2レースでは最後方からのスタートながら、鬼神の追い上げをみせトップのグレゴリー・ソーントンにわずか0.624秒差の2位フィニッシュという劇的なレースを展開しました。
この時、表彰式のスペシャルプレゼンテーターとして登壇したのが、元F1チャンピオンのミカ・ハッキネン。ここでの出会いが翌年の活動につながっていくのです。
SUZUKA Sound of ENGINE 2018
2018年4月、PLANEX CARSは8月22日から25日にかけて開催される“GT3世界一決定戦” 『BH AUCTION SMBC SUZUKA 10HOURS』に、久保田克昭が1998年、99年のF1ワールドチャンピオンであるミカ・ハッキネン選手と、2007年のGT300、2015年、17年のSUPER FORMULAチャンピオンである石浦宏明選手とともに、マクラーレン720S GT3で参戦することを発表します。
ハッキネンが鈴鹿でレースをするのは、F1引退以来初めてということもあり、この年の鈴鹿10Hの目玉となったことでプログラムにも多くのページが割かれ、紹介されています。
レースの方は灼熱の中、25番手からスタートした『プラネックス・スマカメ・レーシング720S GT3』は、細かなトラブルに見舞われたものの、確実にスティントを消化していき、初参戦ながら見事に22位、PROクラス18位で完走を果たしました。
レースは実に過酷でしたが、どれだけの充実度と喜びがあったかは、レース後のこの一枚が全てを物語っていると思います。COVID-19が収束し、またこうしてレースが楽しめる時が来ることを祈っております。応援のほど、引き続きよろしくお願いします。