CARS Report

ショールームに展示中のロータス88Bを徹底取材!

2011.08.12

先日の水曜日。プラネックスカーズでは展示中のロータス88B F1を巡って

実にディープな会話が飛び交いました。



今回カーズにいらっしゃったのは、

プロモデラー(というより模型作家といった方が適切かも)の南口一朗さんと、

元モデルカーズ編集部で現在Joe Honda Racing Pictorial series by Hiroなどの

編集も手がける山田剛久さん。そして筋金入りのF1エンスーであるlegapさんという面々。

 

このたび南口さんが、これまた各所で話題の悶絶スケールモデル

モデルファクトリーヒロ製の1/20 ロータス88Bを製作することとなり

その資料撮影が行われたのでした。

 

まぁこれだけのメンバーが集まり、ネタが88Bとくれば、話がどんどんディープになっていくのは

ご想像? のとおり。クルマの構造云々から、カーボンコンポジットの模様に至るまで

いろいろなウンチクが出ること出ること……。

 

ちなみに南口さんは横浜中華街でBARACCAというショップのオーナーでもあります。

ここに行くと、南口さんが手がけた超絶ディテールの完成品を見れる他

様々なF1キットも買うことができたりします。家族サービスで中華街を訪れた際は是非!

 

そういえば、このカーズのブログで88Bについて細かくお話したことはなかったかもしれません。

今カーズに展示中の88Bというマシーンは、コーリン・チャップマン率いるチーム・ロータスが

1981年シーズン用に開発したF1マシーン。

 

特筆すべきは、当時FISAが決めた「静止時にマシーンの地上最低高は6cmなければならない」

という規定に対応するために、コックピットのあるモノコックと、

周りのボディを別体としたツインシャシーとし、グランンドエフェクト効果を得ようとした所。

数々の奇策を打ち出したコーリン・チャップマンが生前最後に残した怪作ともいえるのです。

 

しかしながら、ライバルからレギュレーション違反では? の声があがり

ロングビーチ、リオ・デ・ジャネイロ、ブエノスアイレス、シルバーストーンの各GPに

持ち込まれるも、いずれも出走不可とされ、幻に終わった悲運のマシーンでもあります。

 

ツインシャシーである証拠に、ボディ後端のフレーム(プライマリーシャシー)につく

シャシープレートは88B/2となっているのに対して……。

 

モノコック(セカンダリーシャシー)内部につくシャシープレートは87B/2となっています。

というのも、実は88Bのモノコックは、87Bと共通のカーボン製。

この88B/2(87B/2)は、1981年のイギリスGPにナイジェル・マンセルとともに挑むも

レギュレーション違反とみなされ、徹夜で87Bにコンバートされたというエピソードをもっています。

 

 

当時製作された88Bはわずか2台。

そのどちらも現存しているのですが

(もう1台の方は今年のGoodwood Festival of Speedで最速タイムを記録!)、

いま日本にある個体は、Classic Team Lotus Japanの代表を務める

Katsu 久保田が所有するもの。2008年にはFIA公認のヒストリックF1レース、

Historic Formula Oneで数々の入賞を果たしたクルマでもあります。

 

長年F1ファンをしてきた人たちにとって、

この88Bを日本で見られるなんてことは、想像もし得なかったことでしょう。

(これを書いている僕自身がそうですから!)

暫くの間はプラネックスカーズのショールームに常設展示してありますから、

この機会をお見逃しなく! 

 

併せてClassic Team Lotus Japanでは、ウェア、ミニカー、書籍などなど

マニア垂涎のチーム・ロータス・グッズを発売中。

いずれも少量入荷のレアものですので、ご購入はお早めに。

 

では最後に夏休みスペシャル? として3月に富士スピードウェイで行われた

ロータス88Bと、97Tルノーのテスト走行の模様を紹介しましょう。

手前の88Bを駆るのはKatsu久保田代表。続く97Tを駆るのは

PLANEXハナシマ・レーシングの山内英輝選手です。