CARS Report

史上最強のヨタハチ登場!

2012.08.22

 

今日の出来事。

人気のアバルト695 トリブート フェラーリと並んで

プラネックスカーズのショールームになにやら見慣れない1台が……。

 

そう、なんと1960年代を代表する名車トヨタ・スポーツ800、通称ヨタハチがやってきたのです!



最近、有志たちによって1962年の全日本自動車ショーに展示された

このヨタハチの前身であるパブリカスポーツ145Aが復元されたのが話題になりましたが、

このクルマは、UP-15という形式名で呼ばれる生産型。

しかも今となっては貴重な、1965年式の前期型なのです。

 

生産型トヨタS800がお披露目されたのは、1964年の東京モーターショーのこと。

当時の大衆車であるパブリカのコンポーネンツを流用した、小型2シータースポーツとして

1965年から販売が開始されました。

 

エンジンはパブリカ用の空冷697cc U型ユニットをチューンし、

790ccとした、空冷水平対向OHVの2U型ユニット。

SU可変ベンチュリ・キャブレターを2基装備し、バブリカより13psアップの45psを発揮しました。

 

中にはパブリカのU型に載せ換えられてしまう個体も多い中、

このヨタハチにはしっかりとオリジナルの2Uユニットが搭載されています。

さらに、当時オプションで装着されていた燃焼型ヒーター

(緑の筒状のモノ)が装備されているのも好ポイント。

このヒーター、エンジンが空冷なため

ちょうど筒状の部分でガソリンを燃やし、その熱風を室内に導入するという

今では考えられない、ちょっと危険な装備だったりします。

 

いずれにしろ、このオリジナリティの高さは中々です。

 

ヨタハチのシャシーは、空力特性を考慮して軽量に仕立てられた

フレームレスの完全モノコックという、当時としてはかなり進んだ構造。

(ライバルのホンダ・エスはオーソドックスなラダーフレーム形式)

 

しかし、タルガトップという構造もあって、なかなか良好なボディコンディションを

維持していない個体が多いのもヨタハチの特徴。

フルモノコックゆえ、ダメージを負ったボディを元に戻すのはなかなか至難の業と言われています。

 

ところがこの個体は、まるで新車のようなボディコンディション。

ドアのチリがバッチリと合っているうえに、少ない力でカチリとキレイに締まるほど

状態のいいボディシェルをもっています。

 

さらに明るいアルミ地のメーターパネル、リムがクロームのメーター

アルミスポークのエボナイト製ステアリングなど、インテリアは初期型の特徴を完璧に残しています。

 

ふと頭上を見あげても、デタッチャブル形式のトップのトリムも見事なコンディション。

もちろんボディに歪みなどないので、トップの脱着は想像以上に容易です。

 

ここまでご紹介すれば、どれだけコンディションが良いかお分かりいただけるかと思いますが

念のため下まわりを覗いてみても、ご覧のとおり。

泥はね、オイル汚れひとつない、ミュージアムコンディション!

 

……と、ご紹介してきたこのヨタハチ。

実はプラネックスホールディングの久保田会長が、さるヨタハチ・エンスーから譲り受けたという

ミントコンディションの1台で、残念ながら個人コレクションゆえに非売品。

 

期間限定でプラネックスカーズのショールームに展示されていたものなのでした。

 

でも、一見の価値ありです!

相変わらずバラエティ豊かで盛りだくさんな在庫車と一緒に、ヨタハチをご覧になりませんか?