ドイツ車を得意とするプラネックスカーズですが、
メルセデスやBMWと比べると、ポルシェだけは常に店頭に並んでいるとは限りません。
というのは、もちろん市場に流通している個体が少なく、他のブランドのように
常時仕入れることができないから……という理由もありますが、
それにも増して、お買い得な上質車を厳選に厳選を重ねて仕入れているからでもあります。
今回はそんなプラネックスカーズに入庫中の2003年式ポルシェ911カレラ4をご紹介します。
■ポルシェ911(996)について
1997年末にデビューした911としては5世代目にあたるモデル。
最大の特徴は、長年の空冷フラット6を廃し、水冷に刷新したフラット6ユニットを搭載していることで
併せてそれまでSOHCだったヘッドもDOHC化されることとなった。
また大型化しリファインされたボディは、これまでパナメリカーナ・コンセプトなどで
新しい911像を模索してきたデザイナー、ハルム・ラガーイの手によるもの。
しかしながら、ボクスターと共通のヘッドランプデザインや、コストの関係から
前半部はボクスターと共通という成り立ちは、古くからのマニアに賛否両論をもたらした。
とはいえ、進化したティプトロニックSを装備し、水冷化により俄然実用性を増した996は
北米市場はもとより世界各地で多くのマーケットを開拓し、
ポルシェV字回復のきっかけを築いたのは確かである。
また2002年にはマイナーチェンジが施され後期型となり
不評だったヘッドライトのデザインが見直されたほか、
フラット6が3.4リッター(300ps)から
可変バルブタイミング&リフト機構”ヴァリオカムプラス”を装備した3.6リッター(320ps)へと拡大。
その後の997へと続く基礎を作り上げた。
バリエーションとしては、2WDのカレラ、4WDのカレラ4、
カレラ4にターボルックを纏わせたカレラ4S(それぞれにカブリオレが用意される)のほか、
タルガ、ターボ、ターボ・カブリオレといったモデルがレギュラーで用意されていた。
今回プラネックスカーズに入庫したのは2003年型のカレラ4(ディーラー車)。
ティプトロニック仕様で走行4万3000km。気になる販売価格は378万円というモデルだ。
早速、蜷川代表に話を聞いてみた。
―― 2003年式ということは、後期型の996になりますね。
蜷川:はい。ヴァリオカムプラスのついた3.6リッター・エンジンのモデルです。
走行4万km強で、400万円アンダーというのは市場的にみてもリーズナブルだと思います。
―― 履歴はいかがでしょう?
蜷川:ワンオーナーではありませんが、ディーラー車で記録簿もしっかりしています。
ポルシェを探されているお客様は、目利きの方が多いですからね。我々としてもオリジナルコンディションを
維持していて、記録簿のちゃんと残っているクルマしか仕入れないようにしています。
―― コックピットも丁寧に扱われていたのか、キレイな印象です。
蜷川:はい。ステアリングが妙にテカリ過ぎていたりしませんし、手荒く使われたクルマではないようです。
―― さすがにずっと屋根下保管というまでではないようですが、乗りっぱなしにされていたクルマに
ありがちなインテリアの痛みや、ヤレは見当たりません。
蜷川:ナビは社外のハードディスクナビ。あとGPSレーダーが取り付けられていますので
装備的にも充実しているといえると思いますよ。
蜷川:距離を4万3000kmと言いましたが、正確には4万2802kmです。
―― 過走行の個体も多いですから、手頃な996ティプを探している方には最適かもしれませんね。
―― レザーシートもほとんど皺やヘタリのない良いコンディションですね。
蜷川:はい。リアシートなどはほとんど新車といった風情ですし、トリム類もキレイです。
996になると、例えばキーシリンダーがVW/アウディ製のパーツになっていたりとコストダウンの
痕跡が見られたりするのですが、それで急に耐久性が低くなったなどということはありません。
―― 特に後期型になってからは、製品精度も上がったなんて話を聞きましたし。
―― ギアボックスはティプトロ。2ペダルATですね。
蜷川:この996から採用されたティプトロニックSは、MTモードでのレスポンスもよくなって
トルコンATながらスポーティな走りにも、ラグジーなGTっぽい走りにも対応できると
評判のいいギアボックスですね。
―― 故障も少ないと聞きます。
蜷川:故障が少ないと言えば、この996からフルオートエアコンが設定されているのですが、
コンプレッサーがデンソー製になったので、トラブルはもちろん、効き具合に関しても
問題がなくなったというのもメリットだと思います。
―― エンジンルームも、当然の事ながらオイル染みひとつない奇麗な状態ですね。
蜷川:ええ、このまま乗って帰っていただいても大丈夫! というくらいメンテナンスの行き届いた車輛です。
―― メンテナンスに関してはどうですか?
蜷川:もうメーカー保証の切れてしまっている年式ではありますが、アフターに関してはフォローできますので
安心してご購入ください。
―― フード裏側のステッカーなどが奇麗な状態で残っているあたりにも素性の良さが伺えます。
蜷川:はい。例えばクーラントのサブタンクなどもしっかり対策品に換えられているところを見ても
ディーラーでコツコツとメンテナンスされた車輛だと思います。そのあたりも安心材料です。
―― タイヤ&ブレーキは?
蜷川:ブレーキはノーマル。ホイールも純正の17インチ。タイヤはミシュランのパイロットスポーツを履いています。
タイヤは交換されていますが、ちゃんとメーカー指定であることを示す”N"マーク入りですから。
―― そういうところ、大事ですよね。確かに。
蜷川:基本的にノーマルの車輛なのですが、おそらく以前のオーナーの好みでヘッドライトが
社外のキセノンに変わっています。
―― 当時純正オプションにもキセノンは用意されていませんでしたっけ?
蜷川:純正のキセノンはヘッドランプ・ウォッシャーとセットだったので、ウォッシャーのノズルが
レンズの横に出ているのですが、これはないので社外ですね。ただ、性能的に何か差があるわけでは
ありません。むしろ無粋なノズルがない方が良いとも言えます。
―― 日本だとあまりヘッドランプ・ウォッシャーが必要なシチュエーションもないですからね。
蜷川:あと、テールランプはこれまた社外の997ルックのLSDが付いています。
―― あー本当ですね。
蜷川:もちろん、大改造してあるわけではないので、元に戻そうと思えば戻せる部分ですからね。
それよりも程度や距離を考えると、ティプトロとはいえ996後期でこの値段はなかなかないと思います。
―― 確かに、この値段なら気軽に911生活をスタートさせることができますし、女性オーナーにも
お勧めできる物件といえますね。
蜷川:新しい911がデビューして市場も動き出していますから、この機会をお見逃しなく。
―― では、動画でもそのコンディションをご確認ください。
■プラネックスカーズ 代表 蜷川桂一
プラネックスカーズの代表として、日々日本中から良質車を仕入れ
お客様に提供する事を生き甲斐としている生粋の自動車人。これまで
扱ってきたクルマの膨大なデータが全てインプットされているため
ユーザーのあらゆる要望に応えることができる、プラネックスカーズの
コンシェルジュ的存在でもある。また、かつてこよなくMGBを愛し
今もホンダCB400Fを大切に保管しているというエンスージァストとしての
一面も持つ。