CARS Report

BHオークション SMBC鈴鹿10H参戦発表記者会見

2019.04.22
右から株式会社モビリティランド 代表取締役社長 山下晋氏、株式会社BHJ CEO 武井真司氏、PLANEX CARS代表 久保田克昭
今年の8月23日から25日に鈴鹿サーキットで開催される「GT3世界一決定戦」、『2019 第48回サマーエンデュランス BHオークション SMBC鈴鹿10H』にミカ・ハッキネン選手、石浦宏明選手とともにマクラーレン720S GT3で出場するPLANEX CARSの久保田克昭の記者会見が、4月20日に鈴鹿サーキットで行われました。その場で今回の参戦に至った経緯のほか、チーム体制など現時点での最新情報をお話しさせていただきました。


photo:モビリティランド/鈴鹿サーキット
鈴鹿10Hは、1966年に始まった鈴鹿1000kmのDNAを受け継ぐGT3カテゴリーの世界一決定戦として2018年にスタート。五大陸の象徴的レースで争われるインターコンチネンタルGTチャレンジの1戦に組み込まれていることもあり、第1回目となった昨年は国内外の有力チームから35台、13車種の車両がエントリーして熱戦を展開し、大成功を収めたことで話題になった。
株式会社モビリティランドの山下晋社長によると、今年はすでに昨年の実績を上回る40台以上のエントリー(GT3の規模的にはスパ・フランコルシャン24時間レースに告ぐ規模)が予想されており、昨年は台風の影響で実現しなかった日本初の公道でのGT3マシンのパレードなど、様々なプログラムが予定されているという。
そのレースのタイトルスポンサーとなるのが、BHオークションを運営する株式会社BHJだ。「鈴鹿10Hのタイトルスポンサーを務めさせていただくという、大変光栄な機会を与えてくださったことを嬉しく思います。またモビリティランド様とは今年、とても意義のあるパートナーシップを結ばせていただきました」とCEOの武井真司氏が話すように、7月の『”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース』と11月の『鈴鹿サウンド・オブ・エンジン』の会場で、コレクタブル・バイク、コレクタブル・カーの公開オークションを開催。さらにコンクールデレガンスの開催などが予定されている。
そんな鈴鹿10Hの注目は、何と言っても1998年、99年のF1ワールド・チャンピオンであるミカ・ハッキネン選手の現役復帰だ。その出場に経緯に関して山下氏はこう話す。
「ミカ・ハッキネン選手は2017年に久々に鈴鹿に来ていただいたのですが、その時は走ってはいただけませんでした。我々はその時から”またレースに出ませんか?”とアプローチをしていたのですが、昨年2回来場した際に久々に走行していただいたのをきっかけに、もう一度鈴鹿でレースをしたいという気持ちになったようです。ただ我々はレース主催者で参加する立場ではありません。どなたかがミカさんとパートナーを組んでくれたら嬉しいなと。そこで久保田さんだ!と思い、今年の東京オートサロンの会場で相談したところ、F1ワールドチャンピオンであるハッキネン、チームオーナーであり、日本のジェントルマンドライバーのトップである久保田さん、さらに日本のチャンピオンである石浦さんと、各カテゴリーのトップドライバーが集う夢のようなチームができたわけです。きっかけを作ったのは我々ですが、そこに至るまでを整えていただいたのは久保田さんのおかげ。久保田さんの努力なくしてはできませんでした。ということで鈴鹿10Hにおいては大変ありがたいチームなのですが、特別扱いすることはないのでよろしくお願いします(笑)」
続いて登壇したPLANEX CARS代表の久保田克昭も参戦に対する意気込みをこう話した。
「一言で言うと、とんでもないことになってしまったなという印象です。最初にモビリティランドさんからお話をいただいた時に、私も今年で58歳になるので、これから先にレースで乗れる時間も限られると思うと、これがプロの皆さんと一緒にビッグレースに参戦できる最後のチャンスかなと。しかもF1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンさんと一緒に、マクラーレンで走るということで、一緒にやらせてくださいとお返事させていただきました。ミカさんとは東京でお会いして話をしましたが、ご本人も非常にレースに対して真剣な思いを持っていらして”もう一度鈴鹿で走りたい”と言う強い気持ちがあっただろうんな、という思いを感じることができました。石浦選手も通常ならトヨタ車しか乗ることができないドライバーだと思いますが、トヨタさんからもOKをいただき参戦できることになりました。本当に今回は幸運だったなと思います。とはいえ、現役の方に比べたら速くは走れないので、できるだけ皆さんに迷惑をかけないように精一杯努力します。皆さんよろしくお願いいたします。そしてモビリティランドさんにはこの機会をいただいたことを本当に感謝しております。またBHJの武井社長にも色々とご協力いただき、感謝しております。ありがとうございます」
photo: McLaren Automotive Limited.
その後、ドライブするマクラーレン720S GT3のメンテナンスなどバックアップ体制は、SUPER GTのGT300クラスで活躍し、多くの栄光と実績を誇る株式会社ゲイナーの協力を得ること、マシンのデリバリーが4月末で、5月上旬には日本に到着することなどが発表された。
「フォーミュラばかりでなく、屋根付きのグループCに乗ってますのでとっても暑いクルマには慣れてはいませんが、経験はあるつもりです。ただ以前ポルシェ・カレラカップ・ジャパンで911GT3カップカーに乗ってた時にも思ったのですが、フォーミュラなどとはタイヤの扱い方が違うので早めにクルマのテストをして慣れていきたいと思っています。ミカさんと石浦選手と3人揃ってテストをするのは難しいかもしれないので、まずは石浦選手にメインとなってクルマを作ってもらい、ある程度できたところでミカさんに来てもらいテストしようと考えています。できれば鈴鹿で走りたいところですが、スケジュールが難しかったら他のサーキットでテストを行うことも考えています」
ミカ・ハッキネン選手については、過去にモナコ・ヒストリックなどで会った時から、親しみやすい方という印象を抱いていたという久保田。若かりし頃のマカオGPでの活躍や、チーム・ロータスからスタートしたF1キャリアを通じ、努力してチャンピオンに登りつめた姿をとても尊敬しており、その記念すべき復帰戦をいい形で終えられるよう、様々なことに関して最善を尽くすと語る。
ちなみに『2019 第48回サマーエンデュランス BHオークション SMBC鈴鹿10H』のチケットは5月5日から発売を開始。また動画配信サービスGYAO!にて、WEB独占無料完全LIVE配信されるほか、BSテレ東でもライブで放送。さらに後日テレビ大阪・テレビ東京系の地上波でダイジェスト番組が放映されることも決定しています。
この後のマシンのテストや、カラーリングなど参戦に関するニュースについては、このHPやフェイスブックなどでも随時報告していく予定です。応援よろしくお願いします。