CARS Report

ドイツ通信−7

2011.08.05

さて、突然ですが問題です。

ソリチュード・リバイバルで見かけたこのクルマは何でしょう?

アメ車? 

分かった人はスゴい!

 



正解はオペル・ディプロマート。

中型車レコルトの上にあたる、1960年代のオペルの最上級車種で

この1964年登場の初代は4.6リッター V8OHVエンジンを搭載。

兄弟車種としてアドミラル、カピテーンという4ドアサルーンも作られました。

アメ車っぽく見えるのは、基本的に親会社GMのクルマのOEMだったため。超カルトカー。

 

続くこれは何でしょう?

これはカデットBという1965年から73年にかけて作られた、オペルのベーシックモデルに用意されたLSクーペ。

1967年以降のマイチェンモデルならエンジンは1.7リッターのSOHCを積んでるはず。

ちなみにこのあとにフルチェンジを果たしたカデットCはGMグループの世界戦略車になり

日本ではいすゞジェミニの名前で売られましたね。

 

さらにこれも……オペル。

1967年に中型車レコルトの豪華版として登場したコモドーレのクーペバージョンで

このクルマはSteinmetz Opel Tuningというチューナーが作った

1970年のコモドーレGS3000というグループ2カー。

エンジンは250psにチューンされた3リッター直6SOHC。

 

これはご存知の方も多いかもしれません。

1968年に発表された2シーターGT、オペル1900GTです。

大衆車カデットのシャシーをベースに流麗なボディを載せた1900GTには

プアマンズ・コルベットというニックネームが付けられたりしました。

 

新車当時、日本にも多くの台数が輸入されていましたが、スーパーカーブームの時には

オマケキャラ的な存在だったため淘汰された個体も多く、キレイなクルマはかえってレアだったりします。

 

このドイツならではの粋なモディファイを施された姿も中々です。

 

まだまだ続くオペル祭り。

往時のラリーファンには涙モノのオペル・アスコナ400。

WRCのグループ4カテゴリーのために、1979年にホモロゲを取得したモデルで

2410cc 直4DOHCユニット(確かオペル初の市販DOHCだったはず!)を搭載。

1982年にはロスマンズカラーを纏って参戦し、ウォルター・ロールと、ヘンリ・トイボネンがドライブ。

並みいる強豪を退けてロールがドライバーズタイトルを獲得したのでありました。

 

これも往時のWRCマニアには涙モノのオペル・マンタ400。

2.4リッターDOHCは、あのコスワースチューンでありました。

 

アスコナがモデルチェンジでFF化されたことを受け、FRスポーツとしてその座を受け継ぎ

1983年からWRCに参戦。ヘンリ・トイボネン、アリ・バタネンといった腕利きがドライブするも

勢力を拡大してきたランチア・ラリーなどの純グループBマシーンには歯が立たなく

1984年いっぱいでオペルはWRCのワークス活動を休止したのでした。

 

そして計測機器を積んだオフィシャルカーとして使われていたのが、オペル・カリブラ。

ベクトラをベースとして1989年にデビューしたカリブラは、当時ヤナセから発売されていたこともあって

日本の路上でも多く見かけました。またDTMでケケ・ロズベルグやJ.J.レートがドライブしていたことも

あって(性能はともかく)日本でも人気がありましたね。

 

ということで、ソリチュードではさすが地元だけあってオペルのクーペの

歴史を総ざらいすることができたのでした。

 

まぁ、日本に輸入されなくなって久しいカルトメーカー(向こうではメジャーですよ!)ですからね

あんま興味ないかもしれませんが。