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F1アメリカGPのサポートレースで今年も久保田が優勝!

2017.10.24
Photo:Masters Historic Racing
6月のカナダGPに引き続き、F1アメリカGPのサポートレースとして10月21日、22日に開催されたマスターズUSAヒストリック・フォーミュラ・ワンにおいて、Classic Team Lotusからエントリーした久保田克昭が昨年に引き続き日曜のレース2で優勝! 土曜のレース1でもCTLのグレッグ・ソーントンが優勝を飾り、CTLが見事な2連勝を達成しました。


2017 Masters USA Formula One Rd.5
F1 US Grand Prix Race1
2017年10月21日 ドライ 1周5513m×10周
Photo:Masters Historic Racing
久保田にとっては昨年も優勝しているゲンのいいコースということもあり、8月のうちにCTLのケヴィンとハナシマレーシングの花島広樹さんがアメリカに乗り込んで、本番用のハナシマDFVに積み替えるなど、準備万端で臨んだ今回のオースティン・ラウンド。
6月のカナダではエンジンの伸びがなく、CTLのチームメイトであるグレッグ・ソーントンのロータス91に離された経験があるだけに、今度こそ! という想いを抱いていたのですが、金曜のプラクティスが始まってみると、ソーントンの91が圧倒的な速さをみせトップタイムを奪取。
予選でも2分2秒725と、2位につけたマイク・カンティロンのティレル010に1.3秒以上の差をつけてポールポジションを獲得します。
一方の久保田はカンティロンに遅れることわずか0.073秒の2分4秒119で3番グリッドを確保。
「オースティンのコースの特性上、ドライだとグレッグには敵わないですね。やはりカーボンモノコックの剛性の高いシャシーをもつ91の方が高速コーナーなどで有利。そういう意味ではロータス79のコピーといえるティレル010も、78に比べると遥かにマシンのポテンシャルが高い感じです」
Photo:Masters Historic Racing
土曜に行なわれたレース1の決勝は、ドライコンディション。
フォーメーションラップのあとのローリングスタートで、見事なダッシュを決めたのはポールスタートのグレッグ。ついでカンティロンのティレル、久保田の78、地元アメリカのチャールズ・ニアバーグのウィリアムズFW07のオーダーで1コーナーへ。
予選からの速さを維持したグレッグがどんどんと逃げて行く中、カンティロン、久保田、ニアバーグの2位争いは激戦。11コーナーの進入で何度もニアバーグがクロスラインで仕掛けてきますが、そのたびに冷静にかわした久保田は、カンティロンを追跡します。
Photo:Masters Historic Racing
その後久保田は何度かカンティロンに仕掛け2位を伺いますが、最終的に一歩届かず3位でフィニッシュとなりました。
Photo:Masters Historic Racing
優勝は圧倒的な速さで終始トップを走り続けた、グレッグ・ソーントンのロータス91。今年の北米ラウンドでは、モントリオール、モスポート(2勝)と続く4勝目となります。
Photo:Masters Historic Racing
可能な限りプッシュして、もてる実力を出し切った久保田とエールを交わすグレッグ。現在ヨーロッパのマスターズF1フィッテョパルディ・クラスでチャンピオン争いをしているだけに、その実力も速さも素晴らしいものがあります。
2017 Masters USA Formula One Rd.5
F1 US Grand Prix Race2
2017年10月22日 ウエット 1周5513m×9周
迎えた日曜日は前日から一転し、なんと朝からスコールのような大雨。
しかしその様子を見た久保田は「ドライだと敵わないけど、みんな雨が苦手だからもしかしたらイケるかも?」と思ったといいます。
Photo:Masters Historic Racing
そして迎えた決勝。まだ少し雨が残っている状態ということで、フォーメーションラップを2周行ったうえでのローリングスタートとなりました。
マスターズF1では、安全上のレギュレーションで2コーナーまでのパッシングが認められていないのですが、そこでも冷静だった久保田は前をいくマシンの様子をよく見ながらスタート。
案の定、3コーナーでグレッグの91がスピンし、後続のカンティロンのティレルもスピン。「いまだ! と思い、アウト側のわずかに開いた隙間に飛び込みました」という久保田は、その間隙を縫ってトップに浮上します。
Photo:Masters Historic Racing
とはいえ、序盤は写真のようなヘビーウエット・コンディション。後方から猛然と追い上げてきたカンティロンのティレルが、何度も久保田に仕掛けますが、4周目に痛恨のスピン。
「何度もリヤが出てひやりとしましたが、後方とのギャップを常にキープするように、ブレーキングで飛び出したりしないよう丁寧な操作を心がけました」
とレース後に語っていたように、見事なレースコントロールをみせた久保田が、9周に短縮されたレースを走りきって見事優勝!
昨年のオースティンでのレース1に続く連覇を成し遂げました!!
Photo:Masters Historic Racing
レース後に表彰台前でマシンから降りるなり、喜びを爆発させる久保田。
「なかなかウエットを走る機会はないから、いい練習になる」
と、国内でのデモランなどでも、積極的にウエットで走行し、経験を積んできた成果が生きたかたちとなりました。
Photo:Masters Historic Racing
わざわざ8月に渡米し、花島さんとエンジン載せ替えなど、献身的に作業をしてくれたケヴィン・スミスと喜び合う久保田。
ケヴィンも速攻で自身のフェイスブックに「P1 in race 2」と表彰台の写真をアップするなど、喜んでいた様子。
Photo:Masters Historic Racing
ふたたびオースティンに日の丸を掲げ、君が代を流すことができた久保田。
「3速でもホイールスピンしちゃうので、ショートシフトしないといけないようなコンディションでしたが、上手くいきましたね。この調子でメキシコも頑張れる気がしてます!」
このあと、F1サーカスと一緒に移動して、メキシコシティでのサポートレースにも参戦する久保田。昨年に引き続き、メキシコでもポディウムの頂点に登ることができるのか? みなさん応援宜しくお願いします。