2024.09.20
さる9月6日から8日にかけてイギリス・グッドウッド・モーターサーキットで開催された世界最高峰のクラシック2&4レース、グッドウッド・リバイバル・ミーティングに今年もPLANEX CARSの久保田克昭が出場。その中でも最高峰カテゴリーに数えられるウットスン・トロフィーで、日本人過去最高位となる6位入賞を果たしました。
今回から、参加するすべての車両に環境に配慮した自然由来の原料を配合したサステナブル・フューエルを使用するなど、世界に先駆けて持続可能なクラシックの世界の実現を進めている同イベント。残念ながら週末を通じて嵐に翻弄される生憎の天候となってしまいましたが、各カテゴリーで例年以上の熱戦が繰り広げられました。
今回から、参加するすべての車両に環境に配慮した自然由来の原料を配合したサステナブル・フューエルを使用するなど、世界に先駆けて持続可能なクラシックの世界の実現を進めている同イベント。残念ながら週末を通じて嵐に翻弄される生憎の天候となってしまいましたが、各カテゴリーで例年以上の熱戦が繰り広げられました。
Whitsun Trophy
1966年までの排気量無制限の2シーター・プロトタイプ・レーシングカーで争われるウィットスン・トロフィーは、グッドウッド・リバイバルの中でも最も速く、激しいカテゴリーです。
今回はアストンマーティンF1への加入発表を控えた、F1デザイナーのエイドリアン・ニューイが愛機フォードGT40とともに久々に参戦。いやがおうにも注目が集まりました。
久保田のロータス30S2は、シーズンオフの間に徹底的なオーバーホール、メンテナンスが行われたこともあり過去最高の状態。事前にグッドウッドで行なったテストでも好感触を掴んだのですが、金曜に行われた予選は生憎の大雨。マシンをまともに制御するのも難しいコンディションの中、とにかく無用なクラッシュを避けるべく冷静にドライブした久保田は2分9秒163で16番手となりました。
ちなみにニューイのGT40は2分4秒台で11番手。トップは驚異的な1分52秒台を記録したジェームス・デヴィッドソンのマクラーレンM1Aでした。
迎えた土曜午後に決勝は、幸運にもドライで開催。全車綺麗なスタンディングスタートを決める中、久保田は17番スタートのローラT70を追いかけ、周回を重ねます。
その後、2周目に入ったセーフティーカーが抜けると、俄然ペースアップ。ニューイらをオーバーテイクして8周目にはトップ10に躍り出ました。
さらに追撃を続ける久保田は周回ごとにポジションアップ。14周目には1分27秒708のベストラップを記録し、前を走るロジャー・ウィルスのマクラーレンM1Bを追い詰めていた矢先、15周目の1コーナーで単独スピン。しかしながら360度回転させて見事に立て直し、順位を落とすことなく走行を続けます。
そして翌周には6位に浮上。そのまま7位のニューイを従え18周のレースを走り切りました。
6位入賞は久保田自身のベストリザルトであるのはもちろん、日本人としても過去最高位。近年、マシン、ドライバーともにレベルアップの著しいウィットスン・トロフィーにおいて、この成績はモナコ優勝に匹敵する素晴らしい結果となりました。
Glover Trophy
8月22日〜24日にイギリス・シルバーストーン・サーキットで行われたシルバーストーン・フェスティバルにも22FJ、18F1、24F1で出場し、手応えを感じていた久保田は、60年代の1.5リッターF1で競われるグローヴァー・トロフィーでも快走。
生憎の雨模様の中で金曜に行われた予選でも、2分0秒324を記録し、堂々7番グリッドを獲得しました。これも久保田にとってグローヴァー・トロフィーでは過去最高となる予選順位となります。
迎えた日曜の決勝は、待望のドライコンディション。スタートで一瞬出遅れたものの、ポジションをキープして1コーナーに向かいます。ところがなかなかペースがあがらずポジションダウン。10位以下の集団に飲み込まれてしまいました。
その後、2周目のセント・メアリーズで起きたインシデントでコース上にオイルが撒かれたこともあり赤旗中断。
しばらくの中断の後、行われた第2ヒートで11番グリッドからスタートした久保田は調子を取り戻して追撃を開始。6周目のラヴァント・ストレートでNo.8のロータス18をパスし、さらにNo.22のロータス24もパスしようとしたところ、目の前でNo.24がスピン。咄嗟に久保田は回避行動を取り、直撃を避けたのですが、スピンの反動でコースに戻ってきたNo.24のフロントタイヤに久保田のリヤタイヤが接触。一瞬宙を舞ったマシンは横転することなく着地。久保田に怪我はなかったものの、マシンにはダメージがありリタイアとなってしまいました。
悔しい結果とはなりましたが、十分入賞圏内で争えるポテンシャルを持っていることは確認できたので、次戦以降の活躍にご期待ください。
Richmond & Gordon Trophy
近年はフロント・エンジンとミッド・エンジンの2.5リッターF1の混走となっているリッチモンド&ゴードン・トロフィー。久保田はこのレースにも、元ジム・クラーク&ジョンサーティースのワークスカーであるロータス18F1で出場しています。
このレースは残念ながら、金曜の予選、日曜の決勝ともにウェット・コンディション。そのためフロント・エンジン勢が強い異例の展開となりましたが、そこでも久保田はロータス18F1勢の中でトップとなる予選16位をゲットしました。
日曜の決勝は、直前に見舞われた豪雨のため、異例のローリング・スタートになりましたが、難しいコンディションの中で健闘。相次ぐコースアウトやクラッシュを尻目に走りぬき、23位で完走しました。
John Surtees Celebration
今回のグッドウッドでは、市場唯一のWGP & F1ワールドチャンピオンであり、グッドウッドのアンバサダーとして亡くなる直前まで活動していたジョン・サーティースのトリビュートも開催。
F1デビュー間もないサーティースがティーム・ロータス時代にドライブしたヒストリーを持つ久保田のロータス18F1-373もパレードに参加しました。
先にも述べましたが、久保田のロータス18F1-373は若きジム・クラークが乗った個体としても有名。2025年に行われるThe Jim Clark Trust主催の、1965年F1王座&インディ500優勝から60周年を祝うイベントにも招待を受けています。
今回のグッドウッドの模様に関しては、グッドウッド・オフィシャルYouTubeチャンネルもご覧ください。
グッドウッド・オフィシャルYouTubeチャンネル