CARS Report

もう1台の「小さなフェラーリ」をご紹介

2021.04.15
F500 F2 Junior
もう1台ご紹介する秘蔵のフェラーリが、500 F2 ジュニアです。
フェラーリ500F2は、F2規定のマシンながら1952年から53年のF1世界選手権に出場、アルベルト・アスカリやピエロ・タルフィらの手で合計14勝を飾った伝説のマシンです。その輝かしい功績から、子供向けのジュニアカーも様々なメーカーで製造されています。


PLANEX CARSが所有するのは、そのうちの1台。メーカー名などは不明ですが、様々なフェラーリのジュニアカーの製作でも知られるイタリアのカロッツェリア・アレグッティが1980年に製作した「フェラーリ・チルドレンズ・スパイダー」という1/2スケールのエンジンカーのボディに似ています。
アレグッティのボディはアルミ製ですが、この個体はFRP製。もしかしたらアレグッティをモチーフに後年に作られたものかもしれません。また車体には「4Z 07 50」と打刻されたシリアルプレートが装着されています。
世の中には何種類かのF500 F2のジュニアカーがありますが、この個体はリヤにイタリア・モトーリ・ミナレリ(Motori Minarelli)製の単気筒エンジンを搭載しています。モトーリ・ミナレリは1951年創業のイタリアの小排気量を得意としたオートバイ・メーカーで、1990年からはヤマハの子会社としてYZE-R125など欧州向けのエンジンの製造を担当しています。F500ジュニアに搭載されているのは、彼らのジョリーと呼ばれたモペットなどに搭載されていた50cc 4ストローク・エンジンだと思われます。
一方車体の方も、前進、後進ギヤ、デファレンシャルなどが備わるなど、メカニズムも本格的。ご覧のようにスペースフレームシャシー、サスペンション、ペダル周りも非常に凝った作りになっています。このあたりからも、単なる子供向けの乗り物というより、F500 F2のミニチュア・エンジンカーとして、かなり手間とお金をかけて作られたものだとお分かりいただけると思います。
もちろん一度綺麗にレストアされ、いつでも動かせるランニングコンディションに保たれています。現在、子供向けエンジンカーの市場は盛り上がっており、特に昔作られたモデルは入手が困難で、その価値は日増しに高まっています。またガレージのオブジェなどにも最適だと思います。
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