R32 スカイラインGT-R(1994年デイトナ24時間レース参戦車両)

1989年に登場したR32 GT-Rこと日産スカイラインGT-Rは、8代目R32型スカイライン・ベースにグループAのホモロゲ取得を目的に開発されたハイパフォーマンス・モデルである。
エンジンは最高出力600PSを目指して開発されたRB26DETT型2.6ℓ直6DOHC24バルブ・ツインターボ・ユニットで、そのパワーを効率的に路面に伝えるためにトランスファーに組み込んだ油圧多板クラッチによって後輪駆動をベースにしながら、走行条件に応じて前輪に駆動力を配分する電子制御トルクスプリット4WD “ATTESA E-TS“を搭載。
また車速センサーやステアリング舵角センサーでより緻密な制御が可能となった4WSシステム“SUPER HICAS”を搭載するなど、プロトタイプのMID-4以来培われてきた日産のテクノロジーの集大成というべき1台となっていた。
そこで日産のモータースポーツ部門であるNISMOは、グループAにとどまらず、その下に位置する、改造範囲の狭いFIA/JAF グループN既定のマシンも開発。1990年から国内N1耐久シリーズにも投入している。
さらに1990年のスパ・フランコルシャン24時間耐久レースを皮切りに、グループNマシンでの国際レースへの挑戦も開始。いきなりクラス優勝を飾ったほか、1991年のスパ24時間ではグループA仕様のGT-Rが日本車としての総合優勝を達成。一方のグループN仕様も総合6位、クラス優勝という結果を収めるなど、各国のツーリングカーレースで活躍した。
ここに紹介するのは、1994年、レギュレーション変更でGTPカーが廃止され、ル・マン24時間用のマシンの参戦も可能となった『Rolex 24 at Daytona(デイトナ24時間レース)』に参戦した、唯一のスカイラインGT-R N1仕様である。
これは国内N1耐久でGT-Rをドライブしていた粕谷俊二、中川隆正が、NISMOからN1仕様を借り出し(その仲介には自動車評論家の故 徳大寺有恒があたったという)プライベーターとして参戦したもので、サード・ドライバーには日本でも活躍していたスウェーデン人のスティーブン・アンドスカーを起用した。
国内グループN1仕様だったGT-Rは、LM GT2マシンとしてIMSA GTUクラスにエントリー。エンジンの吸入制限のため、リヤスポイラーを外して最高速を伸ばすなど対策を施したが、タービン不良など初期トラブルが頻発したこともあり、予選は総合45位、クラス21位となった。
迎えた決勝。序盤でトランスミッションのオイルキャップが飛ぶなど、いくつかトラブルに見舞われるも、10時間終了時には総合24位、クラス13位にポジションアップ。
その後早朝にドライブシャフト交換、その数時間後に4WDシステムのトラブルからFRになるなどのトラブルを克服しながら、総合20位、IMSA GTUクラス10位で完走を果たしている。
現車はその時のマシンそのもの。決勝途中でFRに固定した際、オーバーステア対策として付けたれたオリジナルのリアスポイラーも装着された状態で、フルレストアが施されている。もちろん、機関系もフルオーバーホールされており、オリジナル・コンディションのN1車両としては屈指のヒストリーとコンディションを誇る。


You Tube上には当時のドキュメント番組もアップされています。
https://youtu.be/2LS6y26lz_8?si=eJTjDeQIajK1abbP
















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