シェルビーアメリカンGT350(1967年)
フォード・マスタングは当時フォード・モーターの副社長を務めていたリー・アイアコッカのアイデアで、小型サルーンのファルコンをベースとした戦後のベニーブーマーに向けた2ドア・スペシャリティーカーとして1964年にデビューした。
わずか1年で41万台以上を販売する大ヒットとなったマスタングの次なる一手として、彼らが目指したのはモータースポーツを通じたスポーツイメージの向上だった。そこでフォードは人気のあるドラッグレースと、ロードレースへの参戦を画策。ロードレースのための車両開発のパートナーとして選んだのが、すでにシェルビー・コブラで実績のあったキャロル・シェルビー率いるシェルビー・アメリカンであった。
シェルビーは、当時興隆を誇っていたSCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ)のナショナル・チャンピオンシップ・プロダクションをターゲットに開発をスタート。ホモロゲーション取得に必要な最低100台の生産義務を考慮して、フォードの純正パーツを極力使用しつつ、エンジンには310PSを発生する排気量289cu in(4727cc)のハイパフォーマンス289 V型8気筒OHVを搭載。さらにフロントのモンテカルロバー(ストラットタワーバー)、ボーグワーナー製4速クロスレシオMT T-10型ギヤボックス、デトロイト・オートモーティブ・プロダクツ製LSD“デトロイト・ロッカー”、ケイシー・ヘルズ製フロント・ディスクブレーキ、1インチ取り付け位置を下げたフロントAアーム、レシオを早めたステアリングギヤボックス、FRP製ボンネットフードなど、数多くの改良をファストバック・クーペに施したシェルビーGT350を1965年1月27日に発表する。
シェルビーGT350は早速1965年2月14日にグリーンバレー・レースウェイで開催されたSCCA Bプロダクションに、開発を手がけたケン・マイルズのドライブで出場し、見事なデビュー・ウィンを達成。その後も各地のレースで活躍し、この年の・ナショナル・チャンピオンに輝くと、66年、67年もシリーズを席巻する強さを見せつけた。
一方、100台限定で販売されたGT350には注文が殺到するも、スパルタンすぎる中身に不満の声も出たため、以降の車両はボディカラーの充実や、快適装備のオプション設定などソフト化が図られる。
そして1967年、マスタングのボディ・デザインがマイナーチェンジを受けたのに伴い、GT350もマイチェンを実施。専用のボディパネルがすべてFRP製となり、ボディカラーのバリエーションがさらに増大した。またロールバーが標準装備になったほか、フロントのアンチロールバーが若干細くなり、ステアリングレシオも低められるなど細かな改良が施されている。
1967年型のGT350は、兄貴分のGT350の2048台より少ない1175台の生産で終了。翌1968年モデルからはGT350、GT500ともにシェルビー・アメリカンではなく、フォードの工場で製造されることとなる。
PLANEX CARSのGT350はシャシーナンバー67212F2A02657をもつ1967年型。オプションで用意されていた15インチ×7サイズのケルシー・ヘイズのマグスター・ホイールを装着した1台で、内外装ともに素晴らしいコンディションを保っている。
なお、エンジンはオリジナルスペックと同じ289ユニットながら、後年載せ替えられたものでナンバーズマッチングにはなっていない。
■Shelby GT350スペック
全長:4740mm
全幅:1800mm
全高:1310mm
ホイールベース:2743mm
車重:1235kg
エンジン: V型8気筒OHV
排気量:4727cc
最高出力:310PS
PLANEX CARSでは、購入後の走行やメンテナンスなどのサポートにも対応できます。詳しくはお気軽にお問い合わせください。
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