ホンダS600クーペ(1965年)

■ホンダS600クーペについて

ホンダ初の市販スポーツカーとして1963年10月に発売されたS500の後継として、1964年3月に登場したのが、S600である。

その基本はS500を踏襲したものでスチール製ラダーフレームのシャシーにボアを54.5mm、ストロークを65mmとして排気量を606ccに拡大したAS285E型 直列4気筒DOHCエンジンを搭載。その最高出力は57ps /8500rpm、最大トルクは5.2kg-m/5500rpmで、最高速度は145km/hとアナウンスされた。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤが駆動用のチェーンケースをトレーリングアームに兼ねたチェーンアクスルの4輪独立懸架で、ブレーキは前後ともドラム式となる。











当初はS500同様、2シーター・オープンのみの設定だったが、1965年2月にリヤゲートを備えビジネスユースを謳うファストバック・スタイルのクーペを追加。リヤバルクヘッドに位置していた燃料タンクを左リアサイドに移設し、広いラゲッジスペースを確保した上、助手席のバックレストが前方に倒れることで長尺物を収納できるなど、スペースユーティリティに考慮した設計となっていた。

しかしながら日本ではまだシューティングブレーク風の2シーター・クーペに対する需要が少なかったほか、1965年10月に後継となるS800が発表されたこともあり、生産台数はオープンのS600の11284台に対し、1965年に1519台、1966年に281台のわずか1800台に終わってしまった希少車である。

展示車は1965年式で、長らく鈴鹿サーキットに展示されていた個体だと言われている。放出後に外装をオリジナルカラーにオールペイント。その後エス・スペシャリストの元で保管、メンテナンスされていたものだ。

シャシーナンバーは1000860。プレートに書かれているエンジンナンバーは1008848だが、何らかの理由で載せ替えられたのか、1007388というナンバーの同じS600クーペのスタンダードなエンジンが載せられている。

そのほか内外装に関しても、センターコンソールのアームレストが欠品となっている以外はオリジナルの状態を維持。エス・シリーズの中でも現存している台数が少ないモデルだけに、ナンバー付きの実働車は貴重だと言える。

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