ロータス 97T(1985年)


シャシーナンバー97/1のこのマシンは1985年10月のブランズハッチでの予選でセナがドライブし、見事PPを獲得したマシンです。
ジェラール・ドゥカルージュ設計のこのマシンはおおまかには95Tの改良ですが、ラジエータからの排気をボディ上面から側方へとしたのが大きな変更点です



また、85年からリアのウィングレットが禁止されたことに伴ってフロントタイヤ後方のディフレクターが新たな空力アイテムとして取り入れられました。


決勝戦ではエリオ・デ・アンジェリスがドライブしました。
「音速のピアニスト」、「F1最後の紳士」などのニックネームは、プロ級の腕前と評された程のピアノと、彼の出自が貴族の末裔であるということを知れば納得がいくでしょう。

1985年のプロストの失格によって繰り上がりではありますが自身2勝目を記録しており、開幕から7戦連続入賞を果たすなど、
着実にポイントを積み重ねでセナに17ポイントリードしていたものの、セナも後半では5連続で表彰台に登るものの、
最終的には5ポイント差で破れていますが、ランキングは5位と参加台数の多かった85年シーズンの中では好成績を収めています。


チームメイトであったセナが記録に残るドライバーだとするならば、アンジェリスは記憶に残るドライバーと言えるでしょう。

そういったF1史に深く刻まれたヒストリーがこのマシンにはあるのです。
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