CARS Report

ルノー・カングーの祖先をご存知ですか?

2011.06.22



今日は、プラネックスカーズの人気車種のひとつでもある、ルノー・カングーのお話です。



手頃な5ナンバーサイズ、なんでも積める広大な室内空間、フランス車らしい快適な乗り心地
ATもMTも選べる選択肢の広さ、そしてなんといってもあの愛らしいスタイリング。

2009年に惜しまれつつも日本への導入が終わった先代ルノー・カングーは、
その圧倒的なフランス的合理主義に共感するユーザーの支持を得て
この種類のクルマとしては異例の爆発的ヒットとなりました。

市場では新型が登場したにも関わらず高値安定がつづき、
プラネックスカーズでも、右から左へとすぐに売れてしまう人気車種となっています。



しかし、このカングー。多くの皆さんはご存知でしょうが、
もともと背の高いちょっと変わったファミリーカーとして生まれたわけではありません。
本家フランスはもとより、多くの国では商用車として需要のあるクルマなのです。




日本には導入されていませんが、本国ではカングー・エクスプレスと名乗り
このようなコマーシャルバンとしても売られています。

リアウインドーがパネルになっているほか、長尺モノを積むために
屋根も跳ね上がるようになっているのですよ。

これはこれで、結構魅力的だったりします。



そんなカングーの先祖は、今から50年前の1961年に発表された大衆車
ルノー4(キャトル)にまで遡ります。

その商用版として62年に追加されたのが、このキャトル・フルゴネット。
当時のフランスでは、大衆車の後ろ半分をカーゴにした、
このようなコマーシャルバンがよく作られていました。




たった1リッターほどのエンジンながら、実用性に優れたキャトル・フルゴネットは
1988年まで生産され、このようにリアパネルにウインドーをはめ込んだバリエーションも生まれました。
リアには簡易的なシートも付けられ、4人乗車できるようになっていたこのフルゴネットが
いまのカングーのベースになったといえるかもしれません。




その後、キャトルの生産中止をうけ、シュペール・サンクのシャシーをベースとした
後継車ルノー・エクスプレスが登場。日本でもこのコンセプトを真似た商用車が
次々とデビューを果たしました。



……ということで、新型が登場しても、カングーの本筋はやはり商用車。
本国ではカングー・エクスプレスという名で、こんな姿の商用版が売られています。




リアの窓がなくなり、地味な色になるだけで随分雰囲気が変わるものですね。




さらに室内はもっと質実剛健。
でもハードにアウトドアを楽しもう! というオーナーにとっては
コッチの方が使い易いかもしれませんね。とはいえ、これが日本に導入されることは
限りなくゼロに近いと思いますが……。


さらにさらに、本国ではカングー・エクスプレス・コンパクトという
こんな可愛らしい商用車も発売中。
この乗用版のBE-POPが日本でも発売されましたが、こういうクルマを商用でも
さらりと作れるのが、フランス人のスゴいところですね。


こんなことを知った上で、カングーに乗ると、また違った世界が見えるかもしれません。
なにはともあれ、イタフラの大衆車は旬なうちに乗るのが一番!
先代カングーが欲しい! 毎日の伴侶として使いたい! と切に願っているそこのアナタ。
程度の良いクルマを買うなら、今がチャンスですよ。ホントに。
(個人的には税金の安い1.4より、パワーに余裕のある1.6が買いだと思います。
ヒーターやクーラーも効くし)

さぁ、欲しい! と思った方はコチラへ。