CARS Report

ストックカーご紹介第1弾「ポルシェ962C」

2020.07.13
PLANEX CARSのストックカーご紹介第1弾は、1985年のポルシェ962Cです。
ポルシェ962Cは1985年から採用された安全規定に対応した956 のアップデート版というべきモデルで、86年には完全水冷化した3リッター・フラット6ターボを搭載。グループCの定番モデルとして、カテゴリーの終焉まで活躍した傑作マシンである。


この962Cは、元々1985年にクレマー・レーシングにデリバリーされた962-110。150台製造されたと言われる962Cの中では初期に属する(カスタマー用は101からシャシーナンバーがスタート)個体で、85年のイタリア・ムジェロ1000kmでデビューし2位に入ったほか、モンツァ1000kmでは優勝。またル・マンでもジャン-ピエール・ジャリエ/マイク・サックウェル/フランツ・コンラッドのドライブで9位に入っている。
その後、ドイツ国内選手権に活動の場を移すが、8月にカナダで行われたモスポート1000kmで大クラッシュ。ドライバーは無事だったもののマシンは廃車扱いとなり第一線から退くこととなった。
1986年末、クレマーは保管していたパーツとトンプソン製モノコックを使用してマシンを再構築。他の962にもよくあることだが、この際962 110CK-1と962 110CK-2の2台が製作され、どちらもクレマー・レーシングのレースカーとして使用されることとなった。ちなみに87年のル・マンにはCK-1、CK-2の両者が962-110として持ち込まれ、ここに紹介する962 110CK2の方が実戦に使用(結果はリタイア)されている。
1989年、クレマーは962 110CK-2をフランスのジャック&ジャン-マリー・アルメラス兄弟へと売却。同年5月のWSPCディジョン・ラウンドから参戦を開始し、ル・マン、ハラマ、ブランズハッチ、ニュルブルクリンク、スパ・フランコルシャンに出場している。
現在もアルメラス兄弟がドライブした時のカラーリングとなっており、962-110としてFIA HTPペーパーも取得。2012年のル・マン24時間サポートレースのヒストリック・グループCに出場した経歴も持っており、グループCレーシングにも出場可能である。
Porsche 962-110 Result
1985.04.14 ムジェッロ1000km マルク・スレール/マンフレート・ヴィンケルホック 2位
1985.04.28 モンツァ1000km マルク・スレール/マンフレート・ヴィンケルホック 1位
1985.05.12 シルバーストーン1000km マルク・スレール/マンフレート・ヴィンケルホック 4位
1985.06.16 ル・マン24時間 ジャン-ピエール・ジャリエ/マイク・サックウェル/フランツ・コンラッド 9位
1985.06.29 DEM ノリスリンク マンフレート・ヴィンケルホック 5位
1985.06.30 ノリスリンク・トロフィー マンフレート・ヴィンケルホック 3位
1985.07.14 ホッケンハイム1000km マルク・スレール/マンフレート・ヴィンケルホック DNF
1985.08.11 モスポート1000km マルク・スレール/マンフレート・ヴィンケルホック DNF
Porsche 962 110CK-2 Result
1987.03.22 ハラマ360km フォルカー・ヴァイドラー/クリス・ニッセン 4位
1987.06.14 ル・マン24時間 フォルカー・ヴァイドラー/クリス・ニッセン/高橋国光 DNF
1987.11.28 キャラミ500km ウェイン・テイラー/ハラルド・グロース DNF
1989.05.21 WSPCディジョン ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス 19位
1989.06.11 ル・マン24時間 ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス/アラン・アイアネッタ DNF
1989.06.25 WSPCハラマ ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス 12位
1989.07.23 WSPCブランズハッチ ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス 10位
1989.8.20 WSPCニュルブルクリンク ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス 14位
1989.9.17 WSPCスパ・フランコルシャン ジャック・アルメラス/ジャン-マリー・アルメラス 21位