CARS Report

グッドウッド・リバイバルでドッグファイト!

2016.09.30
Photo:Kozo Fujiwara
さる9月9日から11日にかけて、英国グッドウッド・サーキットで開催された世界一格式の高いヒストリックカー・レース『グッドウッド・リバイバル・ミーティング2016』にPLANEX CARS代表で、Classic Team Lotus Japan代表でもある久保田克昭がエントリー。愛機ロータス23Bとともに、マジウィック・カップに出場してきました。


1966年に閉鎖された時の状態にレストアされたサーキットを舞台に、スタッフ、エントラントはもちろん、観客までが当時のコスチュームに身を包んで参加することで知られるグッドウッド・リバイバル・ミーティング。夏のフェスティバル・オブ・スピードとは違う、厳かで気品ある雰囲気が魅力のレーシング・イベントです。
今年も戦前車から、1960年代のF1、GT、プロトタイプ・スポーツカーに至るまで、様々なカテゴリーのマシンが世界中から大挙集結し、本気のレースを繰り広げたこのイベント。久保田がエントリーしたのは、1960年から66年までの3リッター以下レーシング・スポーツで競われるマジウィック・カップ(毎回対象クラスが変わります)です。
Photo:Kozo Fujiwara
ドライブしたのは久保田の愛機、1962年型ロータス23B(C/N:23-S-4)。8月に一度グッドウッドでテスト走行を行ったものの、トラブルが出てしまったため、ブッツケ本番状態での予選となりました。ところが予選中に冷却系のトラブルでオーバーヒート。それでも1分31秒292を記録し、出走28台中15位のグリッドを獲得しました。
しかし翌土曜の決勝までにマシンの修復は困難ということが判明。久保田の23B(およびコーティナ・ロータス)のメンテナンスを担当し、自身も23Bでエントリーしていたニック・アダムス(写真上段左から3人目:元ロータス・カーズのエンジニアで、2イレブンの開発主査。またエラン、23のオーソリティでもある)の23Bを借りて出走することに。そのためマシン変更によりグリッドは最後尾となってしまいました。
迎えた決勝は生憎の雨。出走前にアッセンブリーエリアで待機していると、今年のモナコ・ヒストリックで久保田と2位争いを演じたジョー・トワイマンが表敬訪問。「カツ、今日は俺が勝つからな!」と意気込んでいたゼッケン16のエルヴァMk7で出場のトワイマンは、その言葉通り終始レースをリード。トップでチェッカーを受けたものの、最終シケインでの接触でペナルティを取られ5位に終わりました。
Photo:Kozo Fujiwara
その後、どんどん雨脚は激しくなり、マジウィック・カップの決勝が始まる頃には土砂降りの雨。ウォータースクリーンで何も見えないような状況にもかかわらず、最後尾スタートの久保田はオープニングラップで早くも15位前後にまで順位を上げます。
Photo:Kozo Fujiwara
それから難しいコンディションの中にもかかわらず、スチュアート・ティザード(このレースのチェアマンでもある)の23Bと、リチャード・ペリーのマーリンMk4との熾烈なバトルを展開した久保田。一時は13位まで順位を上げたものの、最終盤のラヴァント・コーナーで痛恨のスピン。結局総合14位でのフィニッシュとなりました。
「自分のクルマでなかったこともあり、乗りにくかったけど、あのコンディションの中でグッドウッドを走れたことはすごく勉強になったし、すごく収穫があった」という久保田。いつの日か、このグッドウッドでも一番大きなトロフィーを獲得するために、これからも参戦を続ける予定です。
Photo:Kozo Fujiwara
またこのグッドウッド・リバイバルでは、PLANEX CARS目黒本社に展示中のヴィンテージ・ペダルカー、オースティンJ40による子供たちのワンメイクレース“セットリントン・カップ”も開催。今年も44台ものエントリーを集めました!
Photo:Kozo Fujiwara
参加しているのは、いずれもお父さんやおじいさんが本編のレースに参加しているという良家の子女たちばかり。こういう遊び心がそこかしこにあるのも、グッドウッド・リバイバルの面白さといえるとおもいます。
ぜひ皆さんも来年は観戦にお越しください!