CARS Report

モナコ・ヒストリックの最高峰クラスで2位表彰台!

2016.05.20
さる5月13日から15日にかけて、モナコ市街地コースを舞台に開催されたモナコ・ヒストリックGP。2年に一度開催される、ヒストリック・フォーミュラカー・レースの最高峰といわれるイベントに、プラネックスカーズ代表であり、前回セリエFクラスのウィナーでもある久保田克昭が参戦。見事最高峰クラスのセリエGで2位表彰台を獲得しました!


photo:Kozo Fujiwara
1973年から76年までのF1マシンで競われるセリエGには、世界中から実に44台ものマシンがエントリー。しかも今回は、元F1ドライバーのアレックス・カフィ、エマニュエル・ピロ、J-D.デレトラーズなど、錚々たるプロドライバーたちが参加。土曜日午前のプラクティスから激しいタイム合戦となりますが、マーチ761で参加の久保田は1分35秒655を叩き出し、ポールを獲得したカフィのエンサインN177にコンマ5秒差に迫るタイムでフロントロウを獲得します。
そして迎えた決勝は、台数の多さゆえ急遽ローリングスタート式に変更となり、序盤でクラッシュ、赤旗などの混乱が起きますが、再スタートもうまく決めカフィに食いつきます。
photo:Kozo Fujiwara
しかしながら、最初のスタートの混乱でラジエターを痛め、冷却水漏れを起こしていた久保田は、マシンの状態を労わりつつ冷静にレースを展開。途中、追い上げてきたシャドウDN8のジョー・トワイマン(FIA GTに参戦経験をもつプロレーサー)に抜かれるも、見事に抜き返し、自身同クラス初(日本人最上位)となる2位入賞を果たしました。
photo:Kozo Fujiwara
モナコ入賞経験をもつ元F1ドライバーを相手にした活躍は、現地の観客にも多いに評価され、表彰式は大変な盛り上がりに。また、今回マーチのマシンにもかかわらず、久保田のためにメンテナンス、マネージメントを引き受けてくれた本国Classic Team Lotus のサポート、そしてハナシマ・レーシング製のコスワースDFVのコンディションは素晴らしく、会心のレースをすることができました。
一方、2連覇の期待のかかるセリエF(1966年から72年の3リッターF1)にロータス72で挑戦した久保田。CTLのメカニック、ケヴィン・スミスによるメンテナンスと、ハナシマDFVの効果で飛躍的に戦闘力も向上し、ドライバー本人のコンディションも最高だったのですが、初日最初のプラクティスのタバコ・コーナーで遅いクルマをラップしようとした際に、運悪くグリップの悪い路面にはまりクラッシュ。久保田自身の怪我がありませんでしたが、マシンはモノコックにまでおよぶダメージを受け、出走取り消しとなってしまいました。それまでのトップタイムを叩き出していただけに残念です。
ちなみにこのクラスには、昨年までアストン・マーティン・ワークスからLM-GTクラスに出場していたスチュアート・ホールがマクラーレンM19で出場。1分32秒822という驚異的なタイムを記録してポールtoフィニッシュを飾りました。新たな強敵の出現に久保田もリベンジを誓っています。
こうしたレース結果はもとより、とにかく圧倒されるのがこのイベントのスケール感。なんてたってコースも、マーシャルも観客席も看板も、オーロラビジョンも使われる設備、スタッフは2週間後に迫った本番のF1GPとまったく一緒。しかも金曜日からコース中のスタンドは満席なうえ、ハーバーには大型グルーザーがぎっしり。町中にはロールスやフェラーリがタクシーのようにあふれ、毎夜毎夜パーティー三昧。そんな場所で往年のF1マシンが本気で走るんですから、興奮しないわけがありません!
しかも会場は有名人だらけ。パドックで何か人だかりが! と思って近づくと、そこにはショパールの共同社長であるカール-フレドリッヒ・ショイフレ氏と、プロモーションに訪れたルマン・レジェンド、ジャッキー・イクスと、ポルシェ・ワークスの面々!!
また久保田と同じセリエFに今回から参戦するようになった、ゴールドリーフ・カラーのロータス49Bをドライブしているのは……
なんとあのレッドブルF1のデザイナーだったエイドリアン・ニューイ! ちなみに彼の49Bのレストアをしたのが、右にいるClassic Team Lotus のメカニック、ケヴィン・スミス。久保田の72のチーフメカでもあります。
このほか、今回モナコにやってきた有名レーサーたちの写真と直筆サインは、恵比寿にあるRacers'Cafe(レーサーズ・カフェ)にて絶賛公開中。ぜひ遊びにいらしてください。
2連覇こその逃したものの、最高峰クラスでF1ドライバーを相手に2位を獲得した久保田は、いまやモナコ・ヒストリックのスタードライバーのひとり。週末の間、場内放送は何度となく「カツー・クボター!」と連呼するし、パドックを歩けば、あちこちでサインを求められる人気ぶり。この興奮と感動をいつか日本にも届けられるよう、引き続き頑張ります。応援よろしくお願いします。